◎ 今月の翼作品

2012年2月号の翼作品

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  絡み飛ぶ経済新聞空っ風

川口ますみ     

 

 2008年のリーマン・ショック以来、世界的経済危機は、日本でも、国民不在の政治環境と失業・貧困・格差の広がりなど、とても深刻な状況が生まれている。しかも、あのバブル経済破綻のツケが、いまも国民に暗い影を落としている。 

 掲句には、作者の感性と庶民の体臭・庶民の怒りが充ちている。「絡み飛ぶ経済新聞」の借辞は、しっかり現代の断面を捉えていよう。とくに「経済新聞」は、暗示やイメージを媒体する象徴、きっちり一句に形象化されている。まさに言葉の持つ力が充分に引き出されていると感心した。

   

    『俳句人』588号所載。

                     (入江勉人)

 

       

  天命を大空に聴く葱坊主

柴田蕉風                                                                                                

 

 葱坊主が自分の天命をある日空に尋ねている。

 遥か遥か遠い空に問いは届くのだろうか、大地と地面の空間が大きく感じられる句。

 小なりとは言えしっかりと根を張った葱坊主は大地と対等平等に問答をしている。葱坊主は作者か?天命やいかに!

 『俳句人』誌は難しい句が多いとよく言われるがそんなことはない、こんな酒脱な句があるのだもの。     

      『俳句人』591号所載。  

(おくだ菜摘)